リッチメディア社(東京都目黒宿区)が運営する健康・医療情報サイト「ヘルスケア大学」が2019年9月で閉鎖されました。
ヘルスケア大学は2017年に不正確な内容の記事が批判を浴び、同年6月に一部の記事を非公開にしました。その後「医療・健康情報の信頼性向上プロジェクトを立ち上げて、記事内容の確認と不適切な箇所の訂正に取り組む」と公式発表していましたが、残念ながら改善されることなくこの9月末で閉鎖となりました。
この記事では今回のヘルスケア大学の事例から学ぶ、アフィリエイトの在り方と求められるカテゴリー選びや記事の品質についてお伝えします。
目次
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ヘルスケア大学の闇
ことの発端は2016年のWELQ問題にさかのぼります。
WELQは「ココロとカラダの教科書」というテーマを掲げつつも、著作権を無視した医学的に根拠のないコピペ記事で医療・健康情報を量産していました。
WELQの「SEOを駆使して医療系や病名などのキーワードで検索上位を独占し、アフィリエイト報酬を得る姿勢」は目に余るほどで「肩の凝りは憑依した霊によるもの」などどいう「でたらめな記事内容」に大きな批判が集中しました。
中でも「死にたい」というキーワードでSEOをかけて精神的に非常に不安定な読者の検索結果に表示させ、転職案件の性格診断をアフィリエイトする記事には批判が殺到して炎上。
WELQの経営母体であるDeNAの代表取締役、守安功氏を含む3名が謝罪会見を行いWELQの閉鎖を発表。しかし、当事者であるWELQのメディア事業責任者の村田マリ氏は謝罪会見に姿を現さないなど、後味の悪さを残しました。
これだけ世間を騒がせ、大炎上したWELQ問題以降、さすがに今後は良識あるサイトが台頭すると誰もが思う中、WELQの抜けた穴にビジネスチャンスを見出したとばかりに「リッチメディア社」運営による医療情報サイト「ヘルスケア大学」が同様の問題を引き起こしたのです。
「心と体の健康を保ち、悩みを少しでも解決し、前向きな毎日を送るための情報サイト」をテーマに掲げ、2015年にサービスを開始したのがヘルスケア大学。
トップページには「5000人の専門医が監修」という表記をかかげ健康増進、予防、検査などのカテゴリーで専門家の経験をふまえた情報発信を行っているはずでした。
しかも、ヘルスケア大学には医療情報サイトとしての信頼性を示す認証コード、「HONコード」が掲載されていたこともあり、誰が見ても「信頼すべきサイト」と認識されていました。
HONとは医療・健康関連ウェブサイトの質と信頼性改善に取り組むスイスのジュネーブに設立されたNPOです。1995年にインターネット上の医療情報利用に関して全世界から有識者が集まり、国際会議で設置が決められました。
一般の消費者に信頼できる医療・健康情報を提供する目的で、医療情報サイトの品質評価を行っており、HONが定めた8つの倫理基準を満たしたウェブサイトには「HONコード」と呼ばれる認証シールが与えられ、Webサイト上に明記することができます。
しかし、内容的には著作権を侵害するコピー記事が多く、他の専門医師が疑問に思うような「不適切な記事」が多数見つかりました。批判の声が殺到すると、問題の記事を非表示にしてしまうといった行為を繰り返していました。
5000人の医師の監修を経ているにも関わらず、なぜ誤りのある記事が掲載されていたのか?という質問に対してヘルスケア大学の回答は
- 記事によって担当編集者が異なり、包括的な品質管理ができていなかった
- 基準に満たない情報をエビデンス(証拠)として採用してしまった
- 監修者が各記事につき医師1人だったので、視点の偏りが生じてしまった
としていますが、「記事に誤りがあった場合は都度修正する」という方針は譲らず、当時「全記事を非公開にして検証するべき」との指摘に対しても応じてこなかったという経緯があります。
結局、ヘルスケア大学はWELQのような「謝罪会見」はなく、問題をうやむやにしたまま公式サイト上での「当社事業領域の整理に伴い社内リソースを別領域に集中させる」ためという発表のみで、9月末にサイト閉鎖に至っています。
web上に情報発信する者の責任
インターネットの普及により、誰でもブログやTwitter、youtubeなどで手軽に情報発信できる時代だからこそ、個人のブログでも大手企業の運営サイトでもYMYL(Your Money or Your Life)に関わるカテゴリーに該当する内容を扱う情報発信には、細心の注意が必要ですし、大きな責任が伴うことを忘れてはいけません。
PPC広告やFacebook広告は「掲載基準の審査」がありますが、私たちが取り組むSEOでのブログ、メディア運営には審査がありません。
だからと言って「審査が無ければ、何を書いてもいい」というわけではありません。
アフィリエイトの在り方と取り組み姿勢
アフィリエイトは広告や商品・サービスの紹介を通して収益化していくビジネスモデルのひとつ。もちろん収益の追求はビジネスである以上当然です。しかし、どのビジネスでも「自分の利益」「自社の利益」だけを優先する取り組み姿勢では決して長続きしません。
消費者のニーズを満たすことを第一に考えていない企業や運営者はリアルビジネスの世界でもインターネットビジネスの世界でも淘汰されていくのは時間の問題です。
アフィリエイターの仕事は検索ユーザーの疑問に答え、ニーズを満たし求められる情報を提供できて初めてその対価が受け取れるという事を忘れずにいてください。
カテゴリー選びと記事の品質について
今後、アフィリエイトで取り組むカテゴリー選びは慎重に行った方が良いです。特にYMYLに関わるカテゴリーは避けた方が無難と言えます。
WELQやヘルスケア大学といった無責任なサイト運営で大きな社会問題になったカテゴリーは今後Googleの規制もますます厳しくなり、医療・健康・金融に関するキーワードは本当に専門家によるサイト以外は表示されにくくなる傾向にあるからです。
美容系、健康系は収益化しやすいカテゴリーという過去の認識は一旦外した方がベター。このタイミングであえて参入するリスクは避けたいところです。
もちろんあなたに専門の知識があり、その道でプロとしての経験があれば別ですが、それでも健康や病気・医療に関する情報発信には、最新の注意が必要であることには変わりありません。
規制がかかりにくく、需要が伸びているカテゴリーは?
具体的にお見せできる資料が無いので恐縮ですが、ASPの担当からもらっている最新の情報をシェアします。アフィリエイトの世界に「絶対」という答えはありませんが、Googleの規制が入りにくく需要が伸びているカテゴリは以下になります。
- 買取系(着物・骨董品・ブランド・毛皮)
- VOD(動画配信)
- 電子書籍
- ゲームアプリ
- プログラミング
- WIFI
- 格安SIM
- 転職
- 婚活
上記はGoogleの規制が入りにくく、市場も伸びているカテゴリーと言えます。ASPのアフィリ案件に関わらず、アドセンス実践者も「医療関係・病気・健康に関するカテゴリー」は避けた方が無難です。
まとめ
たとえお小遣い稼ぎだとしても、本格的にビジネスとして取り組むとしてもweb上に情報を発信する以上は発信内容に責任を持ちたいです。
アフィリエイターが書いた記事と比べて、医学界の専門家の記事は読みにくいという声もあるかもしれませんが、「読みにくくても、命に係わることは専門家の正しい意見や見解が知りたい」と、子を持つ親として私は思います。
これからの時代は、カテゴリーによって住み分けが必要になってくるのかもしれません。だからと言って、決してアフィリエイトが収益化しにくくなったわけではありませんから、ネガティブな情報に振り回されることなく、落ち着いて取り組んでいきましょう。
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